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「でも、ただの村人でも、龍神様は助けてくださるんですよ」
とヒナは龍神様を褒めたが、龍神様はまた謙遜する。
「いや……だから、嵐は勝手にやってくるのだが」
と。
「まあ、よかった。
お前のことだから、大丈夫だろうとは思っていたが」
お前は賢い子だから、と義父は言う。
「シノではちょっと切り抜けられぬと思っていたからな。
シノは生まれたときから、髪が赤く。
この村では、異質なものだった。
だから、私はあれが謗られぬよう、みなを謀り、ヌシ様の巫女に仕立て上げたのだ」
「いやあ、お姉様は本当に立派な巫女様でしたよ」
みんなを盛り上げる巫女様でした、とヒナは言う。
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