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「女の一人旅では物騒だから、適当にその辺にいた男を連れて逃げてただけじゃないのか?」
と言ったあとで、男は、あの娘、引き戻してやろうか? と訊いてくる。
そしたら、この面倒ごとはおさまるのだろう? というように。
「あの、もしかして、今のカエル。
あなたがやったのですか?」
いや、私ではない、と男は言う。
「……そうですか。
いや、いいです。
お姉様は、あのまま行かせてあげてください」
「ほう、いいのか?」
意外そうに男は言った。
「そんなことより、ヌシ様でないのなら、あなたは誰なのです?」
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