巫女の姉が逃げたので、代わりに雨を降らしに行ってきます

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「女の一人旅では物騒だから、適当にその辺にいた男を連れて逃げてただけじゃないのか?」 と言ったあとで、男は、あの娘、引き戻してやろうか? と訊いてくる。  そしたら、この面倒ごとはおさまるのだろう? というように。 「あの、もしかして、今のカエル。  あなたがやったのですか?」  いや、私ではない、と男は言う。 「……そうですか。  いや、いいです。  お姉様は、あのまま行かせてあげてください」 「ほう、いいのか?」  意外そうに男は言った。 「そんなことより、ヌシ様でないのなら、あなたは誰なのです?」
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