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その時だった。
只の石に亀裂が入った。
そして卵の殻が剥がれ落ちるように石の表面が剥がれ落ちたのだ。
「ま、まさか・・・そんな馬鹿な」
後ろで案内人がそう呟いた。
私はごくりと唾を飲み込んだ。
「恐竜?」
私のカラカラになった喉が、その言葉を絞り出した。
「いーや違うな」
Jがニヤリと笑って卵の殻を取り除く。
そこにはJ曰く、水竜が卵の形で手足を曲げて眠っていた。
その額には確かに美しい宝石のアクアマリンのような石が輝いていた。
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