大切な仲間

1/6
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ

大切な仲間

ー 女の子なら誰でもいつか王子様やヒーローが現れるんじゃないかと一度は思ったことがあると思う   私は緊張するとなかなか言葉が出てこない 小学生の頃、このことでよくからかわれていた 桐谷 日和(きりたに ひより):「あっ……え……」 男子:「おまえ何もごもご言ってんだよ」 男子:「聞っこえませーん」 日和:あっ、また、違うって言いたいのに……うっ…… 涙ぐむ日和 早川 樹(はやかわ いつき):「ちょっと、何やってんの?」 男子:「げっ、上級生だぞ」 樹:「キミたち知らないの? 女の子は笑った顔の方がかわいいんだよ。だから泣かせたらダメだよ。特に好きな子はね」 そう言って樹は一人の男の子をじっと見た 東屋 祐生(ひがしや ゆうせい):「おい、もう行こうぜ」 いじめっこたちは逃げて行った 日和:助けてくれた?! 外人?! 髪の毛…きれいな色だな…… あっ、お礼! 日和:「あ……あ……」 樹:「ありがとうって言いたいんでしょ? 大丈夫、伝わってるから」 ー それが私と樹くんとの出会い。それから3年、ずっとそばにいて守ってくれた私の王子様。ずっと一緒にいられると思ってたのに…… 私が4年生、樹くんが6年生の冬、突然別れがやってきた 樹:「急にアメリカに引っ越すことになった。ずっと日和のそばにいたかった……」 日和:私もだよ…… 樹:「でもいつか必ず会いに来るから、僕のこと忘れないで」 ー そう言って手渡されたのは、ガラスの靴のキーホルダー それからずっとガラスの靴は私の宝物。今ではストラップにして大事にスマホに付けている 高校1年 初夏
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!