空気を読んでくださらない雷神様

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 その後僕たちは外出をした。  お出かけ先は、僕が一ヶ月も前から仕事の合間に準備と特訓に励んできた広い公園で、青々とした芝生と満開のお花畑が有名な場所だ。 「そこで何をするんですか?」  車を運転する僕の横顔を見ながら何も知らない藤子さんは訊いてきたが、今ここで教えてしまうとサプライズにならない。 「行ってからのお楽しみです。藤子さんがあっと驚き、感動するものをお見せしますよ」 「えぇ?なんだろう」  うーんと考える仕草のなんと可憐なことかっ!  ああ、運転中じゃなかったらハグをしたかった!  でも大丈夫ですよ藤子さん!そのお姿も車内に隠した超小型カメラでばっちり記録してますからね!  ああっ…あとで見るのが楽しみだ…。きっと無限の再生ルートになるだろう。  ただ一つ残念なことは、藤子さんが先ほどのプリンセスドレスではなく、淡い水色のシンプルなワンピースに着替えてしまったことだ。  いや、そのお姿も美しくまるで湖の妖精さんのようなので大いに結構なのだが、ドレスも捨てがたかった。  外出するならドレスを脱ぎたいと言った藤子さんを、僕はいろんな方法で説得しようとしたが、本気で嫌がるので渋々脱ぐことになったのだ。  だが、そのおかげで素晴らしく幸運な出来事も起こった。 「…では脱がせてもいいですか」と僕が試しに訊いてみると、頬を染めながら「いいですよ」と藤子さんが返事してくれるものだから、この僕が直々にお召し物を脱がすという変態を過激に興奮させるご褒美展開になったのだ。  ああ藤子さん!飴と鞭の使い方がお上手過ぎです!  そのせいで、ここでまさかの将軍様ご起床となってしまった。 『ウーオンウーオンウーオン!』と警報機が爆音を鳴らしたので、どうしたって将軍様が飛び起きてしまったのだ。  でも結果はオールオーライだった。  僕も藤子さんも、そして将軍様も、何かしら解き放ち元気になったのだから、結果はすこぶる良かったのだ!そう、人間我慢はよろしくない!  予定していた時間は少々押してしまったが、まあ良いだろう。  ああっ、本当に最高だった…!  僕は至福の余韻に浸りながら車の運転をするのだった。
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