1626人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
流石に逮捕ごっこに疲れてしまったらしい僕のお姫様は、ベッドの上でスヤスヤと吐息を立てて眠っている。
僕はその頭を優しく撫でると、静かに部屋を出て行った。
リビングに向かうと、一人飾り付けなどの撤去作業を始めた。
我ながら結構な量を装飾したと思うが、藤子さんが喜んでくださったので片付けも全く苦ではない。
巨大パネルは明日の朝、業者さんが来て撤去してくれるので、僕は時間ギリギリまで藤子さんの可愛らしい映像の数々を流すつもりでいる。
どこを向いても藤子さんが見えるなんて、本当に素晴らしい!
ずっとこのままにしておきたいくらいだが、きっと藤子さんは嫌がるだろう。
『蒼真さん!いい加減に片づけてくださいっ!』と僕に怒る藤子さんを想像すると、そのお姿があまりにも可愛らしく、僕は自然と笑いながら撤去作業を続けるのだった。
巨大パネル以外の片付けが終わった頃には東の空が明るくなり始めていた。だが、このままでは終われない!
僕には藤子さんご生誕祭の全貌を記録した動画を編集するという義務がある!
誕生日前日から一睡もせず過ごしてきたため体は確かに疲れているが、藤子さんを想うとやはり無限に力が漲って来る!
足先から股間、そして脳にまで!
「さあ藤子さん!超大作をつくってみせますからね!」
やる気に漲った僕は書斎へ向かい、動画編集に勤しむ。
どの場面の藤子さんも素晴らしく美しく、可愛く、健気で、淑やかで…。
ああ…。本当は睡眠が必要なのに、僕のアドレナリンをドパドパ放出させ眠れなくさせるのだから、藤子さん、やはり貴女は罪な人です!
ああ…、やっぱもっかい逮捕しまーす!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
癒やしのお隣さん お誕生日編【完】
お付き合いくださいまして、誠にありがとうございました♪
最初のコメントを投稿しよう!