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そうして藤子さんを健やかなる安眠の世界に誘うために、藤子さんが好きなアロマを焚き、僕と藤子さんの新婚生活を綴った日記を優しい口調を意識して読み上げ、最後はトン、トン、トンとお腹をやさしーくやさしく叩く。
暫くすると藤子さんから妖精のような寝息が。
………あぁっ。妻は寝顔まで可愛すぎる。
気が付くと、僕は丸一時間も藤子さんの寝顔を、鼻の下を伸ばして眺めていた。
な、なんということだ!
時間が押してるのに時間ロス!!
ああ藤子さん!罪なお人です!あなたの寝顔が時間を忘れさせるほど美しいのがいけないのです!
ああ罪!逮捕です!僕があなたを逮捕でーすっ!
そんなことを考えていれば、女囚人にコスプレした藤子さんを警官にコスプレした僕が捕まえてムフフなイケない尋問をする妄想を始めてしまい、結局時間ロスしかけたのだが、ここで僕のスマホが震えた。
電話の相手は今日の為に頼んでいた業者さんだった。
僕は藤子さんを起こさないように静かに寝室を出て、業者さんを迎え入れる。そうして頼んでいたいろいろなものを運んでくださる様子を見ながら、明日のご生誕祭の大成功を心に誓うのだった。
藤子さん!
素晴らしいお誕生日を過ごしましょうね!
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