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サプライズだらけの一日
蓬田藤子 視点
久しぶりに夢を見た。
ビビットピンクのプリンセスドレスに身を包んだ私が、警察官の恰好をした蒼真さんに追いかけられる、そんな夢。
私が何度も、もう追いかけないでください、と逃げながら頼んでも、蒼真さんは興奮したような笑顔で手錠を振り舞わす。
『逃げてもどこまでも追いかけますよ!あなたのその美貌!愛らしさ!聖女のような健気さ!全てが罪なのですよ藤子さん!さあ逮捕です!逮捕ですよー!』
『いやーっ』
『だいたい藤子さん!そんなゆっくり走ってるんですから、本当は僕に逮捕されたいんですよね!?』
『違います~っ。あっ、きゃあー!』
『確保ーっ!さあ藤子さん、牢屋に行きましょうね』
『いやぁ』
『大丈夫ですよ藤子さん。僕もその牢屋に一緒に入りますし、牢屋と言っても高級ホテルのような居心地と快適さをお約束しますし、なんてったって四六時中僕がいますからね!』
結局掴まって、というか、夢の中の私は『捕まえてくれ速度』で走ってたので、望み通り捕まった私はお姫様抱っこをされ、そのままどこかに運ばれる途中で。
夢から醒めた。
そうしてぼんやり天井を見ていると、すぐ側から「あぁ…逮捕したい…」と呟く声が聞こえたので、ハッとして振り向くと、蒼真さんがベッドの横で椅子に腰かけて私を見ていた。
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