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雨の神様に愛された人の話
私は、雨の神様に愛されている
私が家から出ようとすると、曇った空から雨粒がポツリポツリと落ちてくる
それまで、傘を畳んで歩いていた人たちが、空を見上げて傘を広げる
やがてその雨粒は大粒になり、傘を持たない人たちは雨宿りする場所を求めて駆け出す
私もいつも傘を忘れて出かける
そんな私に、友人が、素敵な傘をくれた
色とりどりの透明なステンドグラスのような傘
光がさすと、足元に鮮やかな色が咲く
「もう忘れないでね」
その日から、私は毎日、傘を持って家を出る
早くさしたくてたまらない
それなのに、神様はそれから雨を降らしてくれない
私が傘と仲良くしているからヤキモチをやいているのだ
可愛い神様
私が一番好きなのは神様なのに
傘をさして、それを見てほしいのに
だから、雨よ、降れ
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