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17話
イサギはリューネの太股の裏側をもう一度撫でる。
軽くしただけなのに、リューネの体はびくりと跳ね上がった。
「…これくらいで感じるとは。敏感なんだね」
笑うと、リューネは頬を赤らめながら睨んでくる。
それは彼の嗜虐心を刺激した。
太股の内側も同じように撫でてから、両足を手で持って左右に大きく開いた。
「…い、嫌!何をするんですか」
じたばたと足をばたつかせて抵抗するが、いともたやすく押さえられてしまう。細身なのにどこからこんな力が出てくるのかと思った。
イサギはリューネの内もものあたりに軽く口づけをする。
「…きゃっ!」
声をあげてしまうがイサギはやめたりはせずに口づけを繰り返した。
「…リューネは内ももが特に敏感だね。それに肌が綺麗だ」
そう言いながら、下着の上から秘裂のあたりを指でなぞる。
既に、下着はしっとりと湿っていてイサギはくすりと笑った。
だが、最後まですることはせずにリューネの衣服を整えてやる。
「…とりあえず、今日はここまで。ごめん、僕はソファーで寝るから」
「あ、イサギ様」
イサギはリューネの言葉を聞かずにそのまま、ベッドから離れた。ドアを開けると背中を向けたまま、出て行ってしまう。
一人で残されたリューネは呆然とそれを見送った。
悶々としながら、朝を迎えたリューネは起こしに来た侍女に身支度を手伝ってもらった。その間も火照った体と心を持て余していた。
「…リューネ様。今日もダンスのレッスンとお勉強がございます。三ヶ月後のパーティに備えて、ドレスの採寸も行いますから、そのおつもりでいてください」
「わかりました。ドレスの採寸は部屋でするんですよね?」
「そうです。それから、イサギ様はまだお休み中ですよ」
意外なことを聞かされてリューネは驚いた。
「…イサギ様はまだ寝ておられるの。もう、朝なのに」
「そうなんです。いかがいたしましょう?」
そんなことを言われてもとリューネは困惑してしまう。仕方なく、こう答えた。
「わかった。起こして差し上げてください。さすがにあたしの部屋にいるのはまずいでしょうから」
「かしこまりまして。では、一旦失礼します」
侍女は頷くと寝室を出て行った。隣の続き部屋にイサギはいるらしい。
それを思い出しながら、リューネはため息をついた。
侍女に起こされたイサギはあくびをしながらソファーから、起きあがった。
昨日はリューネと良い所までいったが。途中で我に返り、やめてしまった。我慢しながら、眠りについたがそれが逆効果だった。
「…若様。起きてくださいませ。今日もリューネ様のダンスのレッスンにつき合われるんでしょう?」
「わかっているよ。今から、自分の部屋に戻る」
わかりましたと頷いた侍女はイサギが寝ていたソファーの寝具を片づけたりして、再びリューネのいるらしい寝室に戻っていった。それを見送ったイサギはシャツのボタンをはめ直して、ネクタイを首にかける。髪も軽く直して、続き部屋の出口にあたるドアを開けた。そこから出て、自室へと向かったのであった。
昼になるとダンスホールにて練習が始まる。イサギは今日もリューネの練習につき合う。
「今日はステップだけでなく、基本的なワルツを踊りましょう。二人でリズムをとるのよ」
リゼッタはそう言ってワルツ調の曲を弾き出した。さりげなく、イサギがリューネに近づき、腰と肩に腕を回した。
「今日からは僕とも実際に踊ってもらうよ。よろしく」
「…はい。こちらこそ」
リューネは顔を赤らめながら頷いた。
その表情は可愛らしくてイサギは見とれてしまいそうになる。
それを堪えながらピアノの曲に合わせて、ステップを踏み出した。リューネも習った通りにやってみる。
だが、なかなか難しく、イサギの足を踏みつけてしまいそうになった。
イサギはすぐに気がつくとリューネにささやきかけた。
「とりあえずは力を抜いて。僕のステップに合わせてくれる?」
「そうはしてるんですけど。難しくて」
「ある程度は任せてくれていいよ。ダンスは男がリードするものだから」
わかりましたとリューネは答えた。
イサギは苦笑いしながらダンスのレッスンが終わるまで踊り続けたのであった。
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