27話

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27話

 イサギとリューネは両親に言ってダンスホールことパーティー会場を一足早く、退場した。  後は互いの部屋に戻って着替えたりして寝るだけだ。 だが、イサギはまだ、物足りないと言いたげで手を繋いだままでリューネの部屋に入ってしまった。 リューネのほっそりとした体を強く抱きしめて今夜もしようかと誘いかけてきた。当然ながら、リューネは慌てる。 「…ええっ。ちょっと、待ってください。ううん!」 「…ごめん、待てない」 そう言いながら、イサギはリューネの柔らかで弾力のある唇に深いキスをする。息も止まるような情熱的なキスにリューネは甘い痺れを感じた。気付いた時には彼の夜会用の上着を両手で掴んでいた。このままではしわができてしまうと体を離そうとする。だが、懸命にそうすればする程、イサギの抱きしめる力は強まり、キスもより激しくなる。 息が苦しくなり、口を開けるとそこからするりと生温かい湿った物が入り込んできた。それに、歯列をなぞられるとぞわりと体がなった。そして、舌も絡め取られて強く吸い上げられる。 じゅっと音が鳴り、イサギの唾液が咥内に入り込んできて自分のそれと共に反射的に飲み込む。だが、それだけでは終わらない。 後頭部を支えている方ではない手でうなじをさっと撫で上げられる。余計に敏感になった体はびくりと跳ね上がった。そして、唇がやっと離される。すっかり、息が上がり、顔や体が熱い。イサギも情欲を秘めた瞳で荒い息を上げていた。 「…リューネの唇は甘いね。体も甘かったけど。これが蜜の味って事かな?」 熱のこもった掠れ声で言われてリューネは余計に体が熱くなるのを感じた。 「……そんな事言われても。蜜の味って何の事なのか…」 「じゃあ、これから試してみる?」 色気のある笑みを見せられてどきりとする。イサギは見かけによらない力でリューネをひょいと片手で抱き上げると寝室のドアの前で立ち止まり、静かに開けた。 ドアを完全に開けてから、イサギは部屋に入り、ゆっくりと閉めた。小さくパタンと音が聞こえてリューネは自分が逃げられないことを悟った。 仕方なく、イサギに身を委ねる。力を抜いた彼女に気を良くしたイサギはベッドに向かい、歩き始めた。 毛足の長い絨毯が敷かれている室内で一切、音はしない。 「…いい子だね。まあ、乱暴な事はしないから。大人しくしててほしい」 「……わかりました」 短く答えるとイサギは優しく笑う。けど、足は確実にベッドに向かっている。そして、すぐにベッドにたどりついて、彼の腕からゆっくりと降ろされた。シーツの上に足を投げ出す形で座ったリューネは脛や膝などが露わになったので隠そうと裾を伸ばす。 そしたら、イサギもベッドに靴を脱いで上がってきた。ボタンを外して上に着ていた背広をするりと脱いで、蝶ネクタイも外した。シャツのボタンも三つほど外すとリューネの顔の横に手を置いて、もう片方の手も置いて上に覆い被さる。 熱っぽい目で見られて、リューネは下腹部がキュンとなるのを感じた。 顔が熱くなって目だけを逸らした。すると、イサギの顔がぐっと近づいてきた。エメラルドのような瞳に見つめられてつい、見惚れてしまう。 そうしている内にイサギがリューネの額にキスをした。それが段々と下に下りてきて唇に到達する。 最初は軽いものだったのが次第に深い情熱的なキスに変わってゆく。部屋には淫靡な水音と二人の息遣いしかしない。 キスの合間に頬を撫でて、少しづつ顎、首筋と手は移動をする。長いキスを終えると耳に舌を這わす。くちゅりと音が鳴る。耳の上側や周りを舐めるとそのたびに水音が鳴り、リューネは耳だけでなく、全身を犯されているような感覚を呼び覚まされる。 「…んん、イサギ様」 甘い声が出て、先ほどの感触が蘇る。穴の中に舌が差し入れられてくるりと舐められた。耳朶も甘噛みをされると背骨に痺れるような快感が走る。 「まだ、終わりじゃないよ。これからが始まりだから」 低い声で耳元で囁かれ、リューネはドキドキと胸が動悸を覚えたのに驚いた。 だが、待たずにイサギは首筋に吸い付いた。強く吸い付いて、離すと白い肌に紅い華が咲いた。 チクリとした痛みとくすぐったさを両方とも感じたリューネは何をされたのかわからない。だが、イサギは教えもせずにその吸い付いた箇所に舌を這わした。 そうした事を何度も繰り返したイサギは胸元や鎖骨にも華を散らした。そして、リューネの上半身を起き上がらせるとドレスの後ろのボタンを一つずつ器用に外していく。 ぱさりとドレスの上半分が腰元に落ちて、コルセットや胸元を保護する下着が丸見えになる。イサギはドレスの裾をたくし上げて、完全にドレスを脱がせる事に成功した。頭がぼんやりとしたリューネはなすがままだ。コルセットの紐も外す間にまた、深いキスをする。 そうする内にショーツだけになったリューネをベッドに押し倒したイサギは彼女の成長途中なのがわかる大きくはない胸に手を伸ばした。綺麗なお椀型で将来が楽しみである。 軽く揉みしだき始めたイサギであった。
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