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雨の日
私の好きなあの子は、
いつも雨の日にだけやってくる。
今日の天気予報は....ぎりぎり曇りかな、?
お願い、雨よ、降れ、!!
「あんた何やってんの〜、早く学校行きなさい、」
「あっ、はいっ、!!」
一応傘をさして外に出ると、
パラパラと雨が降り始めていた。
教室に入ると、
あの子は窓際の席で外を見ていた。
「おはよう、」
そう声をかけると、
『おはよう、いい天気だね。』
そう返してくる。
あの子にとっての雨は、本当にいい天気。
『雨の日はね、僕が生まれた日なんだよ。』
いつの日か、そう言っていた気がする。
『君も雨、好き?』
「好きだよ、雨。」
『僕も好きだよ、』
あの子の名前は“雨”。
雨の日に生まれたから、雨なんだって。
あのね、私も雨、好きだよ。
早く気付いて、
『僕も好きだよ、君のこと。』
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