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 マーチングバンドの格好をした女の子が数人、焼きそばの袋を下げて歩く俺たちの横を通り過ぎた。鼓笛隊パレードに参加した子どもたちか。日焼けした額に汗を浮かべて暑そうだった。有名なテーマパークのキャラクターのパレードがあるとかで、俺たちとは逆方向に歩いていく人が多い。 「結構町変わりましたね」  ハカリ君が言って道端のゴミ箱にカップを捨てた。俺もカップを潰してゴミ箱に放り込みながら「んだね」と言った。 「ハカリ君が最後に川開き来たの何年前?」 「えと、10年前かな」 「じゃあだいぶ変わってるね」 「そうですよね」 「でもこうやってずっと続いてるイベントあるといいよね。なんか川開きの時期になると帰ってこいって言われてるような気分になるんだよね、町に。で、なんか帰る大義名分というか、じゃあ帰ってもいいねって気持ちになって、毎年来てる」 「僕も来れば良かったな」 「来年も行こうよ」  俺は言った。ハカリ君は俯き加減だった顔を上げた。遠くの方から聞き覚えのあるキャラクターのテーマソングが流れていた。 
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