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「どうしたの? 椎名くんと藤川さん。二人で腕組んじゃって」
そこへ、去年までは隣のクラスで今年から同じクラスになった佐藤さんがやってきた。
「ああ、佐藤さん。椎名くんが何かのたまごになりたいんだって。何がいいと思う?」
「うん? 意味が分かんないんだけど」
そりゃそうだよね。私も分かんなかった。
「佐藤さんはこの春から始めたいことってある?」
「そうだなあ。私は占いに興味があるから、勉強してみようかなと思ってるよ。タロットやってみたいんだ」
「佐藤さんの占い、当たりそう!」
佐藤さんは人の心が読めるんじゃないの? と思うくらい勘が鋭い。
「佐藤さんは占い師のたまごか。先を越されたー!」
椎名くんは悔しがるところがズレている。
「お前ら、何騒いでんだ?」
そこへ、金髪ヤンキーの小野田くんがやってきた。小野田くんは去年に続いて今年も同じクラスだ。顔がめっちゃ怖いから、多少慣れてきたとはいえちょっとビビる。
「おれ、たまごになりたいんだ」
「何っ⁉︎ どうした椎名、熱でもあるのか⁉︎」
あ。正しい反応。
椎名くんといるとたまに正常なツッコミを忘れちゃうからな。
なんだか新鮮だ。たまごだけに。
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