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そういえば、喉が渇いた。小腹も空いたし、スイーツも食べたい。
いつもは駄菓子屋でアイス買って食べたり自販機のジュースを買って飲んだりしていたけど、今日はオシャレしてるし、おこずかいもまだ若干の余裕がある。特別に贅沢しちゃうか。
でも、大人ばっかりいるお店に入る勇気はないなあ。
そんなことを考えて歩いていた時、近くのスーパーの駐車場にスイーツの移動販売のワゴンを見つけた。
来てみてびっくり、行列できてる。
しかもその行列の中に……。
「あっ、藤川」
「椎名くん⁉︎ 何でこんなところに!」
「お前こそおれのストーカーか」
何で椎名くん、いるかな。
もう正味三時間くらい一緒にいない?
「こうなりゃ一緒にスイーツ食べるか」
「またカップル割でもあるの?」
「そうじゃないけどさ、おれ、ここのビッグかき氷食べたくて。普通のかき氷の4倍の大きさなんだって! 一人じゃ無理だよなあと思ってたけど藤川と半分こできたら食べられるんじゃね?」
ビッグかき氷か。なんかスゴそう。
「しょうがないなあ。付き合ってあげるよ」
「さすが藤川、頼りになるわ」
なんだかんだ言って、二人並んで一つのものを頼んじゃう。
「これがビッグかき氷か。すげええ」
ビッグかき氷はその名の通り、デカいビールジョッキのようなプラスチック容器にただただ大量のかき氷に三層のシロップがかけられ、そこにさくらんぼ、パイナップル、メロンなどのフルーツが盛られた巨大スイーツだった。
これは見事な映えスイーツ。
「写真撮りたいな」
「おれも。スマホ持ってる? 撮ってやるよ」
「キッズケータイだったらある」
私とかき氷を撮ってくれるのかな?
わずかな疑問とともにケータイをカメラモードにして椎名くんに渡すと、椎名くんが何故か私の隣に来て、ビッグかき氷越しと一緒に自撮りしようとした。
「もっと近寄れ、藤川。顔が半分になっちゃうぞ」
「何故二人で自撮り⁉︎ かき氷だけで良かったんだけど!」
「それじゃかき氷の巨大さが伝わらないだろ。比較だよ、比較!」
大仏の前に人が立ってそのギャップで大仏の巨大さを伝えるようなもんか。
それにしても、二人で顔寄せ合って撮らなくてもいいじゃないか?
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