1 君との出会いとサッカーボール[side 聖夜]

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 それに、今年の春からは高校生になって、毎日忙しくも楽しいんだ。部活とか行事とか……ちょっと苦手だけど、勉強も頑張ってる。寂しがってる暇なんてないぐらい、充実した毎日なんだ。  そんなことを考えながら、いつもの通学路を、柊と並んで歩く。商店街を過ぎて、学校前の道に差し掛かった時、柊がふと口を開いた。 「あ、そういえば今日、期末テストの返却日だよね」 「あっ!?そ、そういえば……」  期末テスト、返ってくるのか……。うう、憂うつだなぁ。数学、全然ダメだったんだよな…………。 「ふふっ、聖夜、顔色悪いよ?これは今回も私の勝ちかなぁ」 「うっ……ま、まだ分かんないだろ!国語と家庭科は自信あるし!」 「ふぅん……大丈夫かなぁ」 「だっ、大丈夫だ!…………多分」 「多分ねぇ……ふふっ。部活もいいけど、勉強も頑張らなきゃダメだよ?」 「うぅ…………。はい、頑張ります……」 「あははっ!よろしい。じゃあ私、挨拶運動の準備急ぐから、先行ってるね」  柊はそう言って、俺の肩をポンと叩いて走っていってしまった。 「期末テスト…………はぁ」  思わずため息が出てしまう俺。うぅ、点数悪いって分かってるのに、何で受け取らなきゃいけないんだ……。 「……って、そんなこと考えてる場合じゃないよな。朝練朝練!」  俺はなんとか気持ちを切り替えて、『天ヶ原学園』と書かれたプレートがはめられた、レンガ造りの校門から、部室へと急いだ。
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