14 大事な初恋の人へ[side 燕]

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 1人で歩いてた帰り道、ふと河川敷を見たら、私と同じくらいの年に見える男の子と女の子が2人、サッカーボールを蹴ってたんだ。 「ゆー君!行っくよー!えいっ!」  女の子が思いっきりボールを蹴る。でも、コントロールが狂ってしまったのか、ボールは真っ直ぐ転がらずに川に落ちてしまった。 「あー!ボールが!」  男の子と女の子は慌ててボールに駆け寄るけど、ボールは川の真ん中の方に行ってしまったんだ。 「どうしよう……ボール、あれしか持ってないのに……」  困った様子の2人を見て、私は思わず河川敷の斜面を駆け下りてた。2人は私を驚いた顔で見ていたけど、それに構わず私は 「ボール、私が取ってくるよ」  と言って、制服の下に着ていたTシャツとジャージの格好になって川に飛び込んだ。  川は子どもにとっては深くて、私の足も底に付かない。でも、泳ぎには自信があったから、私はスイスイ泳いでボールを掴んだ。  よし。あとは戻るだけ……そう思った矢先。 「ッ…………!?」  右足がピキリと痛んで、私は姿勢を崩してしまう。  足、攣った…………。  上手く泳げない体で、何とか岸にたどり着こうともがくけど……もがけばもがくほど、体が沈んでいく。どうしよう、このままだと溺れちゃう…………。
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