14 大事な初恋の人へ[side 燕]

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 きっと、準備運動もしないで急に飛び込んだからだ。あの子達と仲良くなりたくて、助ければ仲間に入れてくれるかもって、(よこしま)な考えで行動したからだ。  だから、バチが当たったんだ…………。 「お姉ちゃん!」  女の子の悲鳴が聞こえる。  あー、私このまま溺れちゃうんだ。もう、ダメなんだ。  ……死んじゃう前に、誰かと友達になりたかったな。  私が、そう諦めかけたその時だった。 「大丈夫か!?」  後ろから、力強い腕に体を引き寄せられたのは……。 「今、助けるからな。俺に任せてくれ」 「え……?」 「体、預けて」  ……その声が、あまりに優しいものだったから、私は何の抵抗もなく、その声の主に体を委ねた。  彼は私を抱えたまま、岸に泳いでいく。やがて地上に辿り着くと、彼は私を岸に座らせる。 「怖かったよな。もう、大丈夫だからな」  水が滴る黒髪と、優しげに細くなった空色の瞳。彼のその穏やかな微笑みを見た瞬間。 「っ……うっ…………」  涙が、止まらなくなってしまった。 「えっ……えっ!?ど、どうしたんだ!?どこか怪我してるのか……?」 「……違う、違うんです。ただ…………こんな風に笑ってもらえたの、久しぶりで……」
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