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私は、泣きじゃくりながら、彼に自分のことを話してしまった。
クラスの人に距離を置かれていること。誰かと仲良くなりたかったこと。そのために、後先考えずに川に飛び込んでしまったこと。
こんなこと、初対面の人に話すことじゃないのに。
彼を困らせちゃったかもしれない……そう心配になって、恐る恐る彼の顔を見ると、彼は真剣な顔をして聞いていてくれたんだ。
「……きっとさ、みんな、君のことをよく知らないから戸惑ってるだけだと思う」
「え……?私のことを、知らないから?」
「うん。君も、知らない人のことを警戒しちゃうことってあるだろ?だからさ、みんなから話しかけられるのを待つだけじゃなくて、君からみんなに歩み寄ってみればいいと思う!」
「歩み寄る……」
「うん!君ならできるよ。俺、応援してるから!」
彼はそう言って、太陽みたいにキラキラした笑顔を見せてくれた。見てると、不思議と勇気が湧いてくる笑顔。この笑顔を見た瞬間。
トクンと、心臓が音を立てた。
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