14 大事な初恋の人へ[side 燕]

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 私がほうけていると、彼は不思議そうな顔をする。 「ん?どうかした?」 「あっ……な、なんでもないです!えっと……助けてくれて、ありがとうございます!」 「ああ、大丈夫!君が無事でよかった」  彼はそう笑うと立ち上がって、大きく伸びをする。それを見た時、気づいたんだ。  このジャージ、天学の高等部だ。じゃあ、この人先輩なんだ。  ……高等部に行けば、また会えるかな。 「あ、そういえばさ、君、名前なんて言うの?そのジャージ、中等部だよね?」 「あっ、はい!風見 燕です。天学中等部の1年生です」 「そっか。俺、宵月 聖夜!高等部1年なんだ。高等部に用があったら、力になれるかもしれないから、遠慮なく声掛けてくれよ」  聖夜さんの優しい言葉。また会ってくれるんだって思ったら、本当は嬉しかったけど……そんなことしたら迷惑なんじゃないかって、少し不安になってしまう。 「あ、ありがとうございます……で、でも、申し訳ない、です」  すると、聖夜さんは明るく笑って言ったんだ。 「気にしなくていいよ。俺、君の友達第1号だからさ!」 「っ…………!」  友達…………。  この時は、そう言ってくれたのが純粋に嬉しかった。本当に、本当に、嬉しかった…………。  …………でも。  時間が経つにつれて、それだけじゃなくなっていく。  友達よりも、親しい関係になりたいって、思うようになってしまったんだ。  この気持ちは、恋なんだって……気づいてしまったんだ…………。
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