1 君との出会いとサッカーボール[side 聖夜]

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* * *  7時半から始まった朝練は、準備体操とランニングを終えて、いよいよ紅白戦だ。普段の朝練なら、基礎練習がメインなんだけど……7月の下旬にインターハイを控えている関係で、実践練習が多くなってるんだよな。 「宵月!任せた!」 「はい!」  先輩からパスを貰い、俺は素早いドリブルでボールを運んでいく。俺はまだ1年生だけど、足の速さには自信があるんだ。  他の選手を引き離して、ゴール前に近づいた時、敵チームのディフェンダーが、俺の前に立ちはだかった。 「行かせるかっ!」 「っ……!」  俺が味方にパスを出そうと辺りを見回す間に、ディフェンダーがボールを奪ってクリアする。ボールはグラウンドの外に飛んでいき、コロコロと転がっていった。 「あっ、ボール取ってきます!」 「おー。宵月、頼むわ」  1年生だってことで、俺は率先してボールを拾いに行く。通り道の真ん中に転がっているボールを見つけ、それに駆け寄っていたその時だった。  周りと違う制服を着た女子生徒が、ボールを拾って俺を見たんだ。 27076b94-fc69-47e0-adf8-d7fd510eb263
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