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「っ…………!えぇっ!?」
春花さんの顔が、ブワッと赤くなっていた…………。
「そ、その反応……まさか、春花さん好きな人が…………!」
「え、えっと…………。………………はい、います」
「や、やっぱり!誰なんですか!?」
私が詰め寄ると、春花さんは照れ笑いになりながら答えた。
「従兄弟だよ。昔から仲が良くて…………大好き、なんだ」
その表情が、あまりにもピュアなものだったから……私も思わず顔を赤くしてしまう。
「そ、その人、今どこに……」
「天学高等部で先生やってるよ。たまに会いに来てくれて……今日みたいに、お菓子をくれたりするの」
「高等部の先生かぁ……今度会ってみたいです」
「ふふっ。タイミングが合ったら、寮で会えるかもね」
春花さんはそう笑って、缶の中のクッキーに手を伸ばした。
「あ、美味しい。ジャムがついてるクッキーが好きなの、覚えててくれたんだ」
嬉しそうにクッキーを食べる春花さん。きっと、嬉しそうなのはクッキーが美味しいからってだけじゃない。
恋って不思議だな。辛いこともあるけど、私たちを幸せな気持ちにしてくれる。
その結末が良いものとは限らないけど、それでも…………。この宝物みたいな感情を、大事な人に伝えよう。そう決心して、私はハーブティーを飲んだ。
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