2 朝の挨拶運動[side 柊]

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* * * 「おはようございます!」  校門前にやってきた私達は、道行く生徒に挨拶をしていく。 「おはよーございまーす」 「あっ、柊ちゃん、おはよ!」  挨拶を返してくれる人もいれば、返してくれない人もいる。でもね、それでも私、挨拶運動が好きなんだ。何でかっていうと、色んな生徒の朝の様子が見れるから。  友達とワイワイしながら歩いてる人、眠そうに欠伸をしてる人、部活の朝練があるから急いでる人…………。みんなそれぞれだけど、全員が同じ学校の仲間なんだなって思うと、なんだか嬉しいんだ。  ふふっ。今日も頑張ろ! 「おはようございます!」  その後も、やる気十分で挨拶してた私だけど、ふと、翔太君の視線に気づいた。 36ba8501-5275-4429-b1df-798c524c9223 「ん、翔太君?どうかした?」 「っ…………。ね、寝癖!」 「え?」 「寝癖ついてる…………」 「えっ、嘘!?どこどこ?」  みんなの前で挨拶してるのに、寝癖がついてたなんて…………は、恥ずかしいよ!ちゃんと、鏡の前で髪梳かして来たのに!!一体どこに寝癖が……。 「…………ここ」  そう短く言って、翔太君が押さえたのは…………前髪の癖毛だった。 「翔太君!そこ、ただの癖毛だから!寝癖じゃないから!!」 「あ、そ、そうか……」 「そうだよ!ここ、いつも外ハネしてるもん!」 「ああ…………ごめん」
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