2 朝の挨拶運動[side 柊]

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 顔を真っ赤にして、佐倉君を睨む翔太君。一方の佐倉君は、それに怯む様子もなく、ヘラヘラ笑いながら 「あはは!分かった分かった。俺、教室行くわ。じゃあ2人とも、挨拶運動頑張れよ~!」  と手を振って、校舎の方に歩いていった。 「あ、佐倉君、ありがとう!」 「……はぁ、やっと行ったか」  翔太君は溜息をついて、私を見ると、真顔で 「あいつの言ったこと、気にするなよ。頼むから」  と告げてきた。 「佐倉君の言ってたことって…………翔太君が私の言葉に素直だってこと?」 「っ…………そ、それもそうだけど……その、気持ちが、どうとか……」 「あぁ、そっちか。……気にするも何も、私よく分からなかったよ」 「そ、そっか。ならいい」  翔太君は安堵の表情を浮かべる。なんだろう、そんなに知られたくない気持ちなのかな?  ……気になるなぁ。 「…………佐倉君に聞いたら教えてもらえるかな」  私がボソリと呟いた一言。それを聞いた翔太君が、再び真っ赤になる。 「だ、だめだ!絶対聞くな!!いいか、絶対だぞ!!」 「えっ、う、うん。分かったよ……」  翔太君の必死の形相に、戸惑ってしまう私。そんなに隠したい気持ちなんて……翔太君、一体何を抱えてるんだろう。やっぱり気になる…………。  でも、無理やり聞くのも良くないよね。誰にだって隠したいことはあるだろうし。うん。  気持ちを切り替えて、挨拶運動頑張ろうかな。私はそう思い直して、再び、道行く生徒に向かって元気よく挨拶をし始めたのだった。
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