3 俺と彼女の始まりの日[side 聖夜]

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3 俺と彼女の始まりの日[side 聖夜]

 朝練が終わってからも、彼女の事が頭から離れず、授業も上の空。そんな俺が現実に引き戻されたのは、4時間目の数学の時間。 「聖夜~……。部活もいいが、もっと数学も頑張れ。このまんまだと、神崎(かんざき)先生泣いちゃうぞ?」 「うっ…………」  期末テスト、46点…………。 「すみません…………」  俺が謝ると、神崎先生はヤレヤレと笑う。 「反省して、勉強するよーに。分かんないところがあったら、遠慮なく聞きに来いよ」 「はい…………」  俺は、しゅんとしながら席に戻る。  46点……46点か……。赤点じゃないとはいえ、流石にまずいよな。せめて半分は取れるようにならないと……。 「じゃあ、解説始めるから、よく聞けよー」  先生が黒板にチョークを走らせる。カツカツと鳴るチョークの音と、先生の解説に集中しながら、俺は4時間目を過ごした。
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