3 俺と彼女の始まりの日[side 聖夜]

2/9

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
 ……やがて、4限目が終わるチャイムが鳴って、昼休みに入った。俺はメモでいっぱいのノートを閉じて、ふぅ、と溜息をつく。  解説聞いてただけなのに、なんか、すごく疲れたなぁ……。うーん、お昼食べて、自主練して気分を変えてこようかな。  そんなことを考えていたら、教室のドアが開いて、柊と翔太が入ってきた。 「聖夜、おつかれ!お昼、一緒に食べよ?」 「あ、うん!」  俺は頷いて、机の上を片付ける。2人は空いてる席から椅子を借りてきて、俺の机に集まった。そして、各々弁当を机の上に広げる。自分の紺色の弁当箱を開けると、卵焼きとウインナーが入った、彩りのあるおかずが顔を出した。  これ、全部夏実姉ちゃんが作ってくれたんだよな。今日も美味しそうだ。 「いただきます!」  それぞれ手を合わせて、弁当を食べ始める。……あ、この卵焼き、砂糖が入ってる!俺、甘い卵焼き好きなんだよなぁ。  俺が卵焼きを美味しく味わっていると、柊が 「ねぇ聖夜。期末テストの結果、どんな感じ?」  と、明るく尋ねてきた。  ……うう、自信満々な顔してるな。自分の点数言うの、気が進まないなぁ…………。でも、言わないと柊は引き下がらないよな。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加