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「…………数学、46点だった」
「よ、46点……は、流石にまずいんじゃない?ちゃんと勉強しなよ」
「うう…………そういう柊はどうだったんだよ?」
「私?私は数学79点だよ!」
そう言って、ドヤ顔で胸を張る柊。く、悔しい…………けど、ぐうの音も出ない……。
「今回も私の勝ちだね!」
「うっ…………他の科目は?国語はどうだったんだよ!」
得意科目の国語で勝負をかける俺に、柊がギクリと肩をすくめる。
「こ、国語は…………」
「国語は?」
「…………53点」
「な、なんだよ!柊も俺のこと言えないじゃん!今回、俺でも80点取れたぞ!」
「うぅ…………だって、古文苦手なんだもん!よく分からない文法と、聞き慣れない単語ばっかりだし……意味わからないよ!」
「そ、それを言うなら俺だって!方程式とかグラフとか……意味わかんないよ!」
そんなことを言い合いながら、ぎゃーぎゃー騒いでいる時だった。
「……どんぐりの背比べ」
翔太が、ボソリと呟いたんだ。
「な、何?翔太君……何が言いたいの?」
「2人とも、科目は違うが大して変わらないじゃないか」
そう言って、呆れた顔で笑う翔太。な、なんか余裕を感じて……モヤモヤする。
「そ、そんなことないもん!私のが聖夜より勉強できるもん!」
「そういう翔太はどうだったんだよ!?」
俺達が詰め寄ると……翔太は顔色を変えずに答えたんだ。
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