3 俺と彼女の始まりの日[side 聖夜]

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「ああ……ふふ、いいですよ。私も、朝練楽しく見てたし、ね」  彼女はそう言うと、グラウンドで自主練するサッカー部員を見ながら、呟く。 「いいな。仲間がいて」 「え……?」 「あ……えっと、制服見て分かるように、私、転校生なんです。だから、まだ学校に馴染めてなくて」  ああ……だから、1人でご飯食べてたのか。たしかに、学校に馴染めてないのに教室にいるのは息苦しいかもな。……なんとかしてあげられたらいいんだけど。  ……あ、そうだ! 「じゃあさ、サッカー部来ない?マネージャー、募集してたし!」 「えっ、さ、サッカー部?何で……」 「部活すればさ、仲間ができて学校にも馴染めると思うんだ。それに、朝練、楽しく見てたって言ってたから…………って」  なんか俺、突っ走り過ぎじゃないか?今朝会ったばっかりの子に、部活の勧誘するなんて……しかも、7月っていう中途半端な時期に。  …………やっちゃったかもしれない。 「ごめん……なんか俺、強引だな……今言ったこと、気にしなくていいから!それじゃあ!」  居たたまれなくなって、その場から離れようとする俺。彼女は、そんな俺の手を掴んで、引き止めた。 「待って!」 「えっ……?」
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