3 俺と彼女の始まりの日[side 聖夜]

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 彼女の顔を見ると、俺のことを真っ直ぐに見つめていた。その真剣な眼差しに、射抜かれて動けなくなる。彼女から、目が離せなくなる。  ……また、だ。なんで俺、こんな気持ちになるんだろう。  やがて、彼女がゆっくりと口を開く。 「サッカー部……入りたい、です」 「え…………ほ、ほんとに!?」 「うん。入って、いいですか?」 「あ、う、うん!もちろんだよ!って、俺が決めることじゃないか。じゃあさ、今日の部活前に顧問の先生とマネージャーの先輩の所に案内するよ。2人から、色々聞いてみて!」 「うん、……ありがとうございます」  彼女はそう言って、ふわりと微笑む。その、なんでもない微笑みにすら、見とれてしまう俺がいる。心が、浮ついてしまう。  ……いや、きっとそれだけじゃないな。彼女と一緒に部活ができるのが、きっと嬉しいんだ。だから、こんなにフワフワしちゃうんだ。  今まで、こんな気持ちになったことなんて無かった。俺、どうしちゃったんだ?
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