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4 初めてのマネージャー[side 旭]
放課後、私は、聖夜に案内されて、顧問の先生やマネージャーの子に挨拶をしてきた。マネージャーの子……三上さんは凄く親切だったし、顧問の先生も、私と丁寧にお話してくれた。
それで、今日からマネージャーとしての仕事を頑張ることになったんだ。
ピー!というホイッスルが聞こえて、部内での紅白戦が始まる。私は、部員全員の動きを観察しつつ、スコアシートを記入していく。
サッカーは、お父さんが好きだったから、よく一緒にテレビで見てたんだ。だから、大まかなルールは分かる。
ただ、サッカーをプレイする上での基礎や、ドリブルやパスのやり方とかは分からないから、それはこれから……残された時間をいっぱい使って覚えていけたらいいなって思ってるんだ。
やがて、聖夜にボールが回った。速くて、他の人を寄せ付けないドリブルをする彼。颯爽としていて、すごくカッコいい……。
なんだか、私の知ってる彼じゃないみたい。
「宵月、相変わらず足速いなぁ。天海もそう思わないか?」
私の隣に座っていた監督が、朗らかに声を掛けてくる。
「は、はい。そうですね」
「な。あれで、もう少し周りの選手を見れるようになればいいんだけどな……。あ、やっぱりボール取られたか」
……監督の言う通り、聖夜はドリブルこそ速いけど、少し突っ走りがち。パスを出す相手を探している間に、ボールを取られることが多いような気がする。
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