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「ご、ごめん。変なこと聞いちゃって」
「あ、大丈夫!今はさ、仲良かった隣の家のおばさんとお姉さんと暮らしてて……俺も妹も、毎日楽しくやってるから!」
そう言って、聖夜は明るい笑顔を見せる。
毎日、楽しく…………。家族と、楽しく……。
「仲、いいんだね。その人達と」
「うん!血は繋がってないけどさ、瀬野の人達も大事な家族だよ」
「……そっか」
血は繋がってないけど……か。
「旭の家族はどんな感じ?転校してきたって言ってたけど、家族とも一緒なのか?」
家族のことを聞かれて……、なんと答えればいいか分からなかった私は、口ごもってしまう。
私にも家族はいる、けど…………聖夜のように、明るく話すのは……今の私には、難しくて。
「旭……?」
「あ……ごめんね。えっと、お父さんと、お母さんと、妹と、弟と……5人で暮らしてるよ」
「へぇ~!旭、妹がいるんだな!俺と同じだな」
聖夜はそう明るく笑っていたけど……私の顔を見て、少し心配そうな表情になる。
「旭、大丈夫?なんか、暗い顔してるけど……」
「あ……う、うん。平気」
聖夜に心配かけたくなくて、笑顔を作る私。でも、無理してるのが聖夜には分かったみたいで……。
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