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「あんまり無理するなよ。何かあったらさ、俺が話聞くから」
そう言って、優しく微笑んでくれた……。
やっぱり……聖夜って、優しいね。その優しさに、私は確かに救われたんだ。その優しさのお陰で、変われるかもって思えたんだ…………。
今はまだ難しいかもしれないけど、いつか、聖夜にも話せるといいな。私のこと、正直に伝えられるといいな…………。
「……うん。ありがとう」
私が微笑むと、聖夜は少し呆然と私を見つめていたけど……やがて、ハッとして笑ってくれた。
「うん!あ、そうだ。ちょっと寄り道しよう!」
「よ、寄り道……?」
「近くのコンビニでさ、新しい餡饅が発売されたんだ。えっと、ピンクのうさぎの餡饅なんだけど……気になってて」
「餡饅……今食べたら、ご飯食べられなくならない?」
「大丈夫!部活頑張ったし、お腹ペコペコだから!」
聖夜はそう言うと、私の手を引いて走り出す。
「よし、売り切れちゃう前に、急ぐぞー!」
「えっ……ちょ、ちょっと……!」
聖夜の行動に戸惑ってしまう私だったけど
……その気持ちとは裏腹に、もっとこの時間が続けばいいのにって、思ってしまった。
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