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コンビニに着いて、レジに向かうと……聖夜は、あー!と声を出した。
「ぴょん助君まん、あと一個しかない……」
ぴょん助君まん……さっき言ってた餡饅だ。ピンク色の皮に、可愛いウサギの顔が焼き付けられてる。
「ごめん、旭……一個しかないや」
「あ、いいよ!私、食べないから。聖夜が食べて」
「うぅ……ごめん、ありがとう」
聖夜は悲しそうな顔をしつつも、レジで餡饅を買った。すると、店員さんが明るい顔で餡饅と一緒に何かを手渡す。
「こ、これ……ぴょん助君のシール!いいんですか!?」
「はい。今、キャンペーン中なので。餡饅を買った人に先着順で配ってるんですよ」
「わー!そうなんですか。可愛い……!」
聖夜が目を輝かせるから気になって、私も彼が貰ったシールを覗き見る。すると、そこには中華まんを食べてるウサギの絵と、大きい中華まんに抱きついているウサギの絵が、大きく2つ印刷されていた。
確かに可愛い……。でも、そんな可愛いウサギに目をキラキラさせてる聖夜も可愛いなぁ。ふふっ。
「ありがとうございます!大事にします!!」
聖夜は店員さんに丁寧にお辞儀して、コンビニを出た。私もそれに続いて外に出る。
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