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でも、どんなにゆっくり食べても……食べ切ってしまう時は来る。
「あー、美味しかったな!」
「うん。……食べきっちゃったね」
「ん?旭、食べ足りなかった?」
「あ、ううん!そんな事ないよ。半分こしてくれて、ありがとう」
私の言葉に、聖夜は明るい笑顔で頷いてくれた。
「うん!俺も、付き合ってくれてありがとな。……あ、そうだ!」
聖夜はカバンの中から、先程のシールを取り出すと……丁寧に折って、2つのシールを綺麗に裂いて分けた。
「中華まん食べてるぴょん助君と、中華まん抱っこしてるぴょん助君、どっちがいい?」
「え……くれるの?」
「うん!仲良くなってくれたお礼に、どうかな?」
仲良くなってくれた、お礼……。聖夜は、私と仲良くなれて嬉しいって思ってくれてるんだ。お礼を言うのは、こっちの方なのに……。
でも、嬉しいな。
「……ありがとう。じゃあ、抱っこしてる方、貰ってもいい?」
「うん!はい、これ」
笑顔でシールを手渡してくれる聖夜に、私も微笑み返す。
……このまま、帰りたくないな。もっと……聖夜と一緒にいたいな。
そう思っていた矢先だった。
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