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口ごもる花琳さんの様子を見て……私は察してしまった。
花琳さん……さっきの人のことが好きなんだ!!わぁ、青春だー!!
私は咄嗟に花琳さんの手を握って、
「私、応援してます!!」
と、明るく告げた。
「っ…………あ、ありがとう。えっと……」
「あ、私、生徒会1年の、宵月 柊です!」
「柊ちゃん……うん、よろしくね」
花琳さんは優しく微笑んで、翔太君の方にも目をやった。
「あなたも、さっきはありがとう」
「いえ……。あ、同じく生徒会1年の風見です。風見 翔太っていいます」
「うん。翔太君も、よろしくね。……さて、そろそろ部活に戻らなきゃ」
花琳さんの言葉を聞いて、私は彼女から手を離す。
「それじゃあ、またね」
「あ、はい!」
花琳さんが部活に戻るのを、私は笑顔で見送った。
花琳さん、可愛かったなぁ。いつか、さっきの人との恋のお話、聞かせて欲しいなぁ…………。
………………。
ん?恋の、話…………?
その時、私の脳裏に、昨晩の聖夜のことが蘇った。
「あ、あーーーー!!」
「な、なんだ急に」
「翔太君!せ、せ、聖夜に、好きな人がっ!!」
私が勢いよく翔太君に詰め寄ると、翔太君は少し後ずさって目を逸らす。
「ち、近…………」
翔太君は戸惑っていたけど……もう、それどころじゃなかった。
「聖夜の好きな人、突き止めなきゃ!!」
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