5 気になる兄の好きな人[side 柊]

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 諦めて、1人で行ってこようかな。そう思っていたんだけど……。 「はぁ……分かった。少しだけな」  翔太君は、ため息をつきつつも頷いてくれたんだ。 「ほ、ほんとに!?ありがとう!翔太君、優しい!!」 「っ……別にいい」  そう短く答えて、ふいっと顔を背ける翔太君。夕日のせいか、少し耳が赤く見える。照れてるのかなぁ?でも、何で? 「こんなに恋愛事が好きな癖に…………なんで自分のことには無関心なんだよ、こいつは……」  翔太君が小声でなにか呟いた。うーん、ボソボソしてて聞こえなかったな。なんて言ったんだろ? 「翔太君、何か言った?」 「べ、別に!!ほ、ほら、サッカー部が終わる前に、行くぞ」 「あ、うん!」  私は、先に歩いていく翔太君の後を追いかけて、サッカー部が活動しているグラウンドへと向かった。
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