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諦めて、1人で行ってこようかな。そう思っていたんだけど……。
「はぁ……分かった。少しだけな」
翔太君は、ため息をつきつつも頷いてくれたんだ。
「ほ、ほんとに!?ありがとう!翔太君、優しい!!」
「っ……別にいい」
そう短く答えて、ふいっと顔を背ける翔太君。夕日のせいか、少し耳が赤く見える。照れてるのかなぁ?でも、何で?
「こんなに恋愛事が好きな癖に…………なんで自分のことには無関心なんだよ、こいつは……」
翔太君が小声でなにか呟いた。うーん、ボソボソしてて聞こえなかったな。なんて言ったんだろ?
「翔太君、何か言った?」
「べ、別に!!ほ、ほら、サッカー部が終わる前に、行くぞ」
「あ、うん!」
私は、先に歩いていく翔太君の後を追いかけて、サッカー部が活動しているグラウンドへと向かった。
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