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サッカー部が活動してるのは、校舎のすぐ横にあるグラウンド。グラウンドの近くに着いた私と翔太君は、部活の様子を遠巻きに眺める。
どうやら今は試合中みたいで、得点を知らせるホイッスルの音と、選手達の掛け声が聞こえてくる。私は、サッカーのルールとか分からないけど……みんなの真剣さが伝わってきて、思わず両手を強く握った。
「サッカー部、気合入ってるな」
「うん。そうだね……。あ!聖夜にボールが渡った!」
ボールを受けた聖夜は、ドリブルをしながら相手を躱していく。そのスピードは本当に速くて……見ていて胸が高鳴る。聖夜、あんなにドリブル上手だったんだ……!
中盤から前線に上がって、ゴールが近づいてくる。でも、1人きりで攻め上がっていた聖夜は、すぐに相手に捕まっちゃう。
……でも、聖夜はそれを風のように躱して……遂に、シュートを放った。
「う、打った…………!」
私は、ドキドキしながらボールを目で追う。決まるかな!?
……でも、シュートはゴールキーパーにキャッチされちゃった。
「あ~……止められちゃった…………」
「惜しかったな」
「うん…………」
私がしょんぼりしてると……遠くから、監督の怒鳴り声が飛んできた。
「宵月ー!もっと周り見ろ!!パス回していけー!!」
「はいっ!!」
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