6人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
でも……私、それでも聖夜の隣に居たかったから。だから、聖夜のために行動したいと思ってるんだ。
それが子供じみた考えだって分かっていても、そうせずにはいられなかった。
「柊、大丈夫か?」
「えっ……?な、何が?」
「難しい顔してたから」
「あ……、うん。ちょっと考え事。でも、大したことないから、大丈夫だよ」
私が笑顔を作ると、翔太君は少し怪訝な顔をしていたけど、やがて小さく頷いた。
「そう……ならいい。でも、何かあったら言え。話なら聞く」
「……うん。ありがと!翔太君、やっぱり優しいね」
私がそう言うと、翔太君はそっぽを向いてしまう。何でそうするのか気になったけど……それ以上に、翔太君の言葉が嬉しかった私は、思わず笑みを零した。
……少し、寂しさが紛れたかも。私、いい友達を持ったなぁ。
「…………ほら、そろそろ帰るぞ」
「ふふっ。うん!一緒に帰ろ!」
なんだかんだ言いつつも、こうして最後まで付き合ってくれた翔太君。その優しさで胸が温かくなるのを感じながら、私は彼と一緒に帰り道を歩いた。
最初のコメントを投稿しよう!