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俺が女の子に見とれていると、遠くの方から声が聞こえてきた。
「聖夜、聖夜!!どこだ!?」
この声……父さんだ!父さんが俺を探してる……。
……帰ろう。もしかしたら、すっごく怒られるかもしれないけど……やっぱり、父さんに会いたい。会って、酷いこと言ってごめんなさいって謝らなきゃ。
「俺、行かないと……」
「うん。……もう、大丈夫だね?」
女の子の優しい問いかけに、俺は元気よく頷いた。
「うん!俺、もう平気!君が魔法をかけてくれたから!」
「ふふっ、よかった。それじゃあ、元気でね」
「うん!痛いの無くしてくれてありがとう!」
俺がお礼を言うと、女の子は嬉しそうに笑ってくれた。
……その笑顔を見て、ふとある疑問が浮かんだんだ。
「俺、宵月 聖夜って言うんだ。ねぇ……君は、なんて名前なの?」
俺が尋ねると、女の子は優しい笑顔のまま、口を開く。
「私の名前は──」
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