7 銀色の旋律[side 花琳]

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「そうなんだ。ふふふ……確かに綺麗な曲だったもんねぇ。これ弾いてる人も、きっと綺麗なんだろうなぁ。ね、花琳ちゃん?」 「っ…………!も、もう!揶揄わないでよ!」 「あはは!ごめんごめん。ほら、そろそろ練習再開しよ!」  茉葉ちゃんは明るく笑いながら、体育館に戻って行った。  もう、恥ずかしいわ……。全く、茉葉ちゃんったら。ただでさえ暑いのに、顔が余計に熱くなっちゃったじゃない…………。  ……でも、彼のピアノが聞けたのが嬉しくて、心は羽のように軽い。  また、聞きたいな。今日の練習が終わるまで、弾いててくれるかな……。 「集合ー!」  茉葉ちゃんの掛け声が聞こえて、私はハッとした。  いけない、今は練習中!集中しなきゃ!  私は自分の頬をパチンと叩いて、部活に戻った。
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