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* * *
「ありがとうございましたー!」
練習が終わって、片付けを終えた私達は体育館に向かって挨拶をして、廊下に出る。
窓が開けられた廊下は、風通しが良くて涼しかった。
「いやー、体育館暑すぎっ!今日も私ら頑張ったわぁ」
茉葉ちゃんが私の隣で伸びながら笑う。
「ふふっ、たしかにね」
「ねー。帰り、アイス買って帰らない?」
「あ、いいわね。コンビニ寄って帰りましょ」
私と茉葉ちゃんが談笑しながら歩いている時だった。再び、あの曲が聞こえてきたのは。
「あ……」
私が思わず立ち止まると、茉葉ちゃんが背中をバシッと叩いてきた。
「ふぁっ!?」
「予定変更!花琳ちゃん音楽室行こ!!」
「え…………。えっ!?」
「今行けば彼に会えるかもよ?」
そう言いながら、屈託のない表情で笑う茉葉ちゃん……。
「で、でも!会って何を話せばいいのか……」
「何でもいーの!自分のことを話すのも良し!相手の話を聞くのも良し!!」
そ、そんなに簡単に言ってくれちゃって……!それができたら苦労しないんだからっ!
「む、無理よ!自信ない……」
「もー、花琳ちゃんなら大丈夫だって!ほら行くよ!!」
「ひぇぇ…………」
私は茉葉ちゃんに引き摺られるようにして、音楽室に向かった……。
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