7 銀色の旋律[side 花琳]

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* * *  校舎の3階の端にある、第2音楽室。その閉ざされた扉の向こうから聞こえるのは、確かに彼の音楽だった。  茉葉ちゃんは少しだけ扉を開けて、中の様子を伺う。 「やっぱり……北原(きたはら)君、ピアノ弾いてるじゃん。ほら、覗いてみなよ」  茉葉ちゃんに促されて中を覗くと……そこに居たのは、美しい姿勢でピアノを弾いている彼だった。  雪のような銀髪が、窓から入ってくる日差しに照らされて柔らかく光る。そして、鍵盤に注がれている真剣な眼差し。キリリとした顔立ちはどこか涼し気で、ただひたすらに綺麗で…………。  つい、見とれてしまう。 「花琳ちゃんを音楽室まで連れてこれたし、私、お暇するから。ちゃんとお話しておいで」 「うん……」  ………………え? 「それじゃあね!」 「ちょ、ちょっと茉葉ちゃん……!」  私が止めるのも虚しく、茉葉ちゃんは駆け足で立ち去ってしまった。  ど、どうしよう…………!私1人じゃ、話しかけに行くなんて無理だよぉ!茉葉ちゃん、戻ってきてぇ……!!  オロオロしている私を他所に、彼はピアノを弾く手を止めない。音楽室から美しい音色が絶え間なく聞こえてくる。どうしたら良いか焦っていた私の心も、次第に音楽に癒されていく……。
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