7 銀色の旋律[side 花琳]

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「ねぇ、少し付き合ってよ」 「えっ……つ、付き合って…………!?」 「僕のピアノ、聞いていってくれない?感想が欲しいんだ」  あ、そ、そういうことか。うん。そうよね……。私ったら動揺しちゃって、恥ずかしすぎるわ…………。  ……でも、白雪君のピアノが聞けるのは、嬉しいや。 「う、うん。私でよければ……」 「ありがとう。ほら、入って」  私は白雪君に促されて、音楽室に入った。  白雪君は椅子に座って楽譜の1ページ目を広げる。  ──銀色の華。  さっきまで弾いてた曲のタイトル、かな。よく見ると、楽譜の音符や記号は全て手書き。自分で書いた曲だって言うのが明らかだった。  ……でもね、そんなことに気づかなくても、さっきの曲が白雪君の自作だってこと、最初から分かってたんだ。だって、この曲は……私が以前、コンサートで聞いた事のある曲だったから。  4年前、私が中学2年生の時に、天ヶ原町の商店街で行われた、天学音楽部のクリスマスコンサート。部活の試合で負けちゃって、泣きながら歩いてる時に、彼の音色が聞こえてきたの。  本当に、綺麗だった。ピアノの音色も、彼自身も。気づいたら、その音色に癒されていて……自然と、笑顔になれていたんだ。  あの瞬間、私は恋に落ちたんだと思う。
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