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「じゃあ、聞いててね」
「あ、うっ、うん!」
白雪君は私に笑顔を見せて……すぐに、ピアノに真剣な眼差しを向けた。
そして、奏でられていく銀色の音色。清らかな、透き通った旋律。この曲を聞く度に、私は何度でも恋に落ちてしまう。美しい彼の音楽にも、美しい彼自身にも…………。
学園の王子様で、人気者な彼にとって、私は何でもないクラスメイトの1人なのかもしれない。
それでも、今、このひと時が……彼が私にピアノを聞かせてくれている、この瞬間が、本当に幸せで……。
この曲の、最後の一音が鳴りやむまで、私は、彼の世界に包み込まれていた…………。
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