8 夕日と海と、知らない気持ち[side 聖夜]

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* * *  帰り支度を済ませた俺が部室を出ると、旭が待っていてくれた。 「聖夜、おつかれさま」  そう、俺に微笑んでくれる旭。その表情は普段通りで、俺が今まで失礼だったことに対する怒りは、感じられなかった。  …………でも、旭は俺の先輩だったんだよな。流石に、呼び捨てにタメ口じゃ、ダメだよな…………。 「あ、ああ、うん…………おつかれさまです!旭……先輩!!」  俺は大きな声でそう言って、思いっきり頭を下げる。 「ほ、ほんとに、ごめんなさい!俺、今まで同学年だと思ってて…………!こ、これからはちゃんと敬語使います!!」  俺は勢いよく謝って、恐る恐る彼女の顔を見上げる。すると、彼女は……穏やかに微笑んで首を横に振っていた。 「いいよ。私に敬語なんて、必要ないから」 「えっ……。で、でも…………!」 「いいの。私、聖夜とは対等な関係でいたいんだ。今までみたいに、仲良しでいたいから」 「っ…………」  そう言う彼女の微笑みに、俺は目を奪われてしまう。出会った時と同じように、彼女から目が離せなくなる…………。
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