6人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
帰り道、長い信号で立ち止まっていると、旭が嬉しそうに鞄を見せてくれた。そこに付いていたのは……魔法使いのキャラクターのストラップだった。
「これね、クラスの子と一緒にガチャガチャ回して当てたんだ。私の好きな、魔法少女のストラップ」
旭はそう言って嬉しそうに笑う。好きなキャラが当たったっていうのもあるのかもしれないけど……きっと、旭が嬉しそうな理由は、それだけじゃない。
「そっか……クラスの子と話せたんだな」
「うん。部活始めてからね、三上さんと仲良くなれて、その周りにいた子も話しかけてくれるようになって……クラスにも馴染めてきたんだ」
旭はそう言って、俺に微笑む。
「聖夜が、私を誘ってくれたお陰だよ。本当にありがとう」
「あっ…………」
俺のお陰……そう言って微笑む旭を見て、胸がギュッとする。く、苦しい。ドキドキ、する……。どうしよう。どうしちゃったんだよ、俺…………。
![2d75f2bd-d8ef-4804-8765-22487d76cac4](https://img.estar.jp/public/user_upload/2d75f2bd-d8ef-4804-8765-22487d76cac4.jpg?width=800&format=jpg)
![2d75f2bd-d8ef-4804-8765-22487d76cac4](https://img.estar.jp/public/user_upload/2d75f2bd-d8ef-4804-8765-22487d76cac4.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!