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1 君との出会いとサッカーボール[side 聖夜]
ピピピピ、ピピピピ!!
枕元でスマホが鳴り響く。うーん、もう朝かぁ……。
アラームを止めて、時間を確認すると午前6時半。部活の朝練が7時半からだから……そろそろ起きて準備しなきゃだな。
ベッドから降り、ジャージに着替えてリビングに向かうと、双子の妹の柊が食パンにイチゴジャムを塗っていた。
「あっ、おはよう聖夜。今日も朝練?」
「柊、おはよう。そうだよ。7時半にグラウンド集合!そういえば、柊も朝早いんだな?」
「今日は挨拶運動の日だからねぇ。生徒会は早めに行って準備しないといけないんだ」
柊はそう言うと、ジャムを塗った食パンをパクリと齧った。
「そっか……お互い頑張ろうな!」
「うん。……ほら、聖夜も朝ご飯食べなよ。台所で夏実姉さんが目玉焼き焼いてたよ」
「おっ!今日、目玉焼きかぁ!それ聞いたらお腹すいてきた……」
そう言うと同時に、俺のお腹がグーと鳴る。それを聞きつけたのか、台所から夏実姉ちゃんが微笑みながら顔を出した。肩まである茶髪を一纏めに結っていて、瞳と同じ橙色のエプロンをしてる。夏実姉ちゃんが家事をする時の恰好だ。
「聖夜、おはよう。朝ご飯できてるから、運んで食べて」
「うん!夏実姉ちゃん、ありがと!」
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