9 隠し事[side 旭]

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 ……茜は、私の妹。妹、だけど……お母さんが違う。お父さんと、新しいお母さん……知江さんの、娘。お父さんと知江さんの、大事な娘…………。  2階に上がって、廊下を歩いていると、弟……ホープとすれ違った。彼の月のように綺麗な銀髪と、黄色い瞳が、蛍光灯に照らされてキラリと光る。 「あ、旭……。おかえり。遅かったね」 「うん。部活だったんだ」 「そっか。帰り道、平気だった?」 「うん。……仲良い人に、送ってきて貰ったから」  私がそう言うと、ホープは少し表情を曇らせる。 「仲良い人って……この前言ってた聖夜さんのこと?」 「うん……そうだけど」 「……そっか」  そう言うと、ホープは頬を膨らませて、プイッとそっぽを向く。 「ホープ……?」 「なんでもない。先、下りてるから」  そう言って、パタパタと階段を降りていくホープ……。  彼は、お父さんが施設から預かってきた男の子。彼の出自は分からないけど……頭が良くて、お父さんが期待を寄せてるのは一目瞭然だった。お父さんの希望を背負った……大事な息子…………。  私は胸が苦しいのを誤魔化すために、少し息を吐いて、自室に向かう。
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