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「……ううん。泣いてないよ。平気」
「そうか……?無理、してないか?」
「うん。大丈夫」
私はこの苦しみを悟られないように、お父さんに背を向ける。
「私……ちょっと出かけてくるね」
「出かけてくるって……どこに行くんだ?」
「友達のところ」
お父さんの質問に、私は咄嗟に嘘をついてしまった。
……でも、嘘をついてでも、ここから離れなきゃって思ってしまったんだ。
「じゃあ、行ってくる」
「旭……!」
お父さんが私を呼ぶ声を無視して、私は家を飛び出した。
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