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道から河川敷を見下ろすと、そこに居たのはやっぱり聖夜だった。
一緒にいるのは……友達、かな。なんだか、すごく楽しそう。声を掛けたら……迷惑かな?
本当は話したい……けど、こんな状態の私、見られたくないな。こんなに汚い私のこと、知られたくないな…………。うん、早くここから離れよう。そう思って、立ち去ろうとした時だった。
「あー!旭だー!おーい!!」
「っ…………!」
聖夜が、私に気づいて手を振ってくれていたんだ。それを見た他の2人も、私に視線を向ける。
「せっかくだからさー!旭もこっち来いよー!」
聖夜は、屈託のない笑顔を私に向ける。その笑顔を無視することなんてできなくて……私は、震える足で河川敷へ下りていった。
どうか……どうか、聖夜に私の暗い部分がバレませんように…………そう願いながら。
河川敷への階段を下りきるやいなや、聖夜が私の所へ駆け寄ってくる。
「旭、おはよ!散歩でもしてたのか?」
聖夜に尋ねられて、私は笑顔で嘘をつく。
「……うん。そう、だよ。聖夜は自主練?」
「うーん、自主練っていうか、ボール蹴りたくて。友達に付き合ってもらってたんだ」
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