9 隠し事[side 旭]

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 道から河川敷を見下ろすと、そこに居たのはやっぱり聖夜だった。  一緒にいるのは……友達、かな。なんだか、すごく楽しそう。声を掛けたら……迷惑かな?  本当は話したい……けど、こんな状態の私、見られたくないな。こんなに汚い私のこと、知られたくないな…………。うん、早くここから離れよう。そう思って、立ち去ろうとした時だった。 「あー!旭だー!おーい!!」 「っ…………!」  聖夜が、私に気づいて手を振ってくれていたんだ。それを見た他の2人も、私に視線を向ける。 「せっかくだからさー!旭もこっち来いよー!」  聖夜は、屈託のない笑顔を私に向ける。その笑顔を無視することなんてできなくて……私は、震える足で河川敷へ下りていった。  どうか……どうか、聖夜に私の暗い部分がバレませんように…………そう願いながら。  河川敷への階段を下りきるやいなや、聖夜が私の所へ駆け寄ってくる。 「旭、おはよ!散歩でもしてたのか?」  聖夜に尋ねられて、私は笑顔で嘘をつく。 「……うん。そう、だよ。聖夜は自主練?」 「うーん、自主練っていうか、ボール蹴りたくて。友達に付き合ってもらってたんだ」
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